2015年 07月 15日
真空調理法と低温調理法 |
いまいち混乱しているのは真空調理法と低温調理法の違い。
まず誤解をするのは、真空調理法という名前。
英語だと ”Vacuum packed pouch cooking” > 曝気した袋での調理
だったのですね。
当方は真空調理というと、真空定温乾燥機みたいなものを考えてしまっていました。
(つまり圧力釜の逆バージョン)
低温調理法は、別に袋に入れなくてもOKな調理法で、たとえば香味油を75度でつくる。
なんて方法、100℃以下の調理を低温調理というようです。
だいたい63-100℃未満のようです。
安全を見ると63-70℃くらい
余り下げ過ぎると菌の増殖温帯 0-53℃に入ってしまう。
この温度帯は氷水で冷やすなどすばやく通過させる。
こうなると低温調理で問題になるのは細菌とウイルスですね。
加熱料理を行うのは、ある意味滅菌も兼ねています。
そこで各素材に対する滅菌温度について考察すると。
ブドウ球菌は、傷がある手等から感染
これは、傷がある人は料理しちゃだめ。
ちなみに 80℃ 30分で死滅するが、ブドウ球菌の毒素は、120℃30分の加熱でも失活しない耐熱性なのです。
一旦増えたら入ったら低温調理法では制御不可能。
<貝類>
こいつは菌ではなく ノロウイルス君がいるので、85℃以上で1分以上の加熱が必要。
一度中心温度を上げておいてから63℃以下に下げる。
(下処理 油通し、ソテ、ボイル等
でもこの温度となると貝類は縮んで小さくなっちゃうので低温調理にはあまりお勧めできません。
ジャイアントクラムシェルくらいの貝柱だったらこの方法でいけるかも。
<肉類>
串刺し等してない肉だったら、中まで細菌は入いっていないことになっている。
は表面を炙った後コンフィー等にする。
牛肉の加熱は以下のサイトを参照
ひき肉のハンバーグやミートボール等一度65℃以上に火を通してから使う。
加熱は以下を参照
厚生労働省
特定加熱食肉製品
その中心部の温度を63°で30分間加熱する方法又はこれと同等以上の効力を有する方法以外の方法による加熱殺菌を行つた食肉製品をいう。ただし,乾燥食肉製品及び非加熱食肉製品を除く。
<魚>
肉に準ずる
魚の低温調理は、
ビブリオについては、温度帯63℃以上であれば問題なし。
<野菜>
厄介なのはボツリヌス菌 こいつは土壌菌かつ嫌気菌なので真空調理法大好き。
家庭ではボツリヌス菌が入り込んだらTHE END 止めようがありません。
そこで予防策
・ボツリヌス菌は土壌菌なので、泥のついたレンコン、長ネギなどとは下ごしらえを別にすること。
しっかりと水洗いして泥を落として、
手っ取り早いのは、一度しっかり炒めるか、油通しをする。
・調理器具は野菜の取扱いの後必ず洗浄すること。
・間違っても傷んだ野菜を利用しないこと
とっても大事
出来上がったらすぐに冷却。+10~60℃の温度帯を可能な限り素早く通過すること。
袋ごと氷水で水冷がベスト
食べる前にしっかり加熱
<参考:レトルトについて>
常温流通されているレトルトは 120℃4分間以上と同等の加熱が義務付けられておるそうです。圧力釜やボイラーがあるから中心温度が120度4分以上は可能。
大手牛丼店、ファミレス御用達
だいたいカレーで120℃で25分くらい蒸しているようです。
あまり長時間熱を通したくない、ステーキ、135度で6分
by kingyopapa
| 2015-07-15 17:57
| 食